喜屋武盛吉さんの「黒小豆」

生産者の声

今年、米寿を迎えるがんずーな喜屋武盛吉さん(城辺地区)「黒小豆」生産農家

そもそも宮古島では、小豆と呼ばれるが、豆類の中では、ささげ種にあたる。内地同様に、昔は、赤い豆だったけど、黒い豆が入ってきて、現在は、黒い豆が主流となったようである。黒あずきに似たものに、黒あずきより少し粒の大きい「黒豆」があるが、黒あずきは、小粒な豆を固くなるまで良く乾燥させ、噛むほどに凝縮された豆特有のうまみがあるのが特徴である。

フキャギ以外にも、ぜんざい、あずきごはん等、うまみの良さから黒豆より、多様な食べ方があり、保存し、一年中食べられている。

栽培の特徴は、種は、自家採取の為、種子代がかからず、病害虫に強いため、農薬を使わないため、比較的栽培しやすい。

さとうきびの後作として、播種後約3ヶ月ぐらいから収穫が始まる。昔は、今より長く収穫できず、途中枯れていた。

黒あずきの課題は、収穫と豆選別の大変さ。とにかく手間がかかる。女性の毎日の仕事でもあった。また、天日干しも重要で、豆に食害する虫がつかないように、徹底して天気を見ながら乾燥させる。

美味しい黒あずきだが、栽培したいが種を持たない方にも、現在では、種苗会社より地域限定版として種子販売されているので、宮古ならではの種子ではあるが、確保しやすくなった。

宮古の伝統野菜と言えば「黒あずき」。島の行事も含めて宮古料理から消える事の無いように大事に残していきたい。